七対子を語る

B4の江坂修一と申します。私は現在、麻雀というテーブルゲームにお熱です。

これからそこに登場する七対子(チートイツ)という役についてお話しようと思います。

七対子とは

麻雀に登場する役の一種であります。

麻雀では計14枚の手牌を「(3枚組の面子)×4+(2枚組の雀頭)」という風にそろえて和了る(あがる)のが基本です。一方、七対子は「(2枚組の対子)×7」という枠にとらわれない特殊な役となります(基本形をはずれた役は七対子と国士無双のみ)。対子が七つ、であるからに「七対子」なのであります(麻雀では7を「チー」と読みます)。

とにかく同じ牌を2コずつそろえてやればよいのです(ここから別名ニコニコとも)。ルールが複雑な麻雀の中では非常にわかりやすい和了り形といえるでしょう。

七対子の美点

七対子は多くの魅力を持ち合わせています。

  • 待ちが自由自在

麻雀において、この牌が来れば和了れるという牌を「待ち」と呼びます。

七対子は2×7という手牌の形に制限があるのみで、牌の種類には一切制限がありません。ゆえに残しておく牌を好きに選ぶことができるのであります。

これは待ちにおいても同じことが言えます。麻雀では立直(リーチ)された時など、他のプレイヤーが聴牌(テンパイ:あと一手で和了れる状態)したと感じた際、字牌やスジなどの安全そうな牌を切って逃れるという選択を取ることが多くあります。七対子では待ちにこの「安全そうな牌」を選択し罠を張ることにより、ロン和了(最後の一枚を他プレイヤーから和了ること)しやすいのです。

  • 打点が高くなりやすい

まず、七対子は2飜役(麻雀の役は1飜が多い)であります。

また、同じ牌を2つずつ使うことから、ドラ(持っているだけで点数が上がる牌)を持っている場合は必ず2枚あるということになります。裏ドラも必ず2枚単位で乗ります。残す牌を自由に選べることから、引いたドラが使えないという状況もめったにありません。

立直・七対子・ドラ2で満貫(8000点)、一発・ツモ・赤ドラ・裏ドラなどから追加で1翻つけば跳満(12000点)となるように、高打点を狙いやすいのです。この爆発力も七対子の魅力の1つといえるでしょう。

  • 防御力が高い

魅力的な攻撃力を持つ一方で、七対子最大の美点ともいえるのが高い防御力であります。

繰り返しになりますが、七対子は面子にとらわれず好きな牌を残しておくことができます。つまり、安全そうな字牌や端の牌を持ちながら進行することができるのです。さらに、その安牌(絶対安全、または安全そうな牌)を2枚ずつ持っていることから、立直を受けた時も2巡単位で安全にしのぐことができ、守備力を保ちやすいのです。

後述のように和了率が低いことから、素直に諦めてオリ(ロンされないように防御に徹する)やすいという特徴も防御力の底上げに一役買っているといえるでしょう。

七対子の欠点

無敵かと思えた七対子にも、一方で欠点が存在します。

  • 進行が遅い

高性能の「攻」と「守」を備える七対子ですが、「速」に難があります。

というのも例えば5p(丸い絵柄の5)を持っている場合の有効牌(引けたら手が進む牌)は、面子手では横並びでもいいので3p,4p,5p,6p,7p。一方、七対子ではその牌自身のみで5pしかなく、引くことのできる確率が低いのです。

2枚で1セットになる点ではそろいやすいですが、それを差し引いても全体的には不利であることに違いはありません。

  • 必ず単騎待ちになる

待ちにはいくつか種類がありますが、七対子ではどうしても単騎待ち(和了牌が残っているそれ自身の一種のみ)という最も枚数が少ない待ちにしかなりません。麻雀ではゲーム中に同じ牌は4枚しかなく、うち1枚は自分で持っているので最大でも残り3枚しかないということになります。

しかし、前述したように待ちを好きに選べることから、まだ山(山札)に残っていそうな牌を選択できたり、自分で引けなくともロン和了しやすかったりなどある程度緩和でき、欠点としては比較的軽度であるといえるでしょう。

七対子進行のすゝめ

まず前提として、七対子は決して進んで狙うような役ではありません。

手牌が悪い時に期待しすぎずに狙ってみて、和了れたらラッキー。先に立直されたら防御力を活かして安全にオリる。というのが正しい付き合い方でしょう。

ただ稀に「速度的にも七対子が最適解」ということがあります。これを逃してはいけません。面子手(通常の形)に集中しすぎて、七対子の方が速いことに気づけないというのはありがちです。目安として、対子が4つできたら一度意識してみるといいでしょう。その上でやっぱり面子手の方がいいと思ったら面子手に向かえばいいのです。「見落としてしまう」のがもったいないのです。

それでは、これらを踏まえた上で七対子の進行について考えます。

(ここから先は著者の持論を多分に含みます。あまり真に受けすぎないでください。)

七対子はどの牌を残す選択肢をしても待ちの最大枚数が変わりません。ゆえに「七対子は運ゲー」と評されることがありますが、これは間違いであります。

七対子は面子手と違い牌効率上の、すなわち機械的な正解が存在しません(七対子のみを狙う時)。よって七対子は「麻雀で一番の実力ゲー」であるといえます。

それではどの牌を残すといいのか、実はある程度の基準が存在します。

(各基準の評価について
    実用度  :どれくらい役に立つ基準か、優先度にも近い
    オカルト度:著者の好みの入り具合、高いほど世論と遠い可能性が高い)

  • 枚数の多い牌を残す(実用度:☆☆☆☆☆ オカルト度:☆・・・・)

最もわかりやすい基準です。確率的にどうしても残り枚数は正義であります。

残り1枚以下の牌(2枚以上切れてしまった牌)は切ってしまうのがいいでしょう。

  • 字牌を残す(実用度:☆☆☆☆☆ オカルト度:☆・・・・)

基本的に字牌は使いづらいので真っ先に切られやすいです。つまり残っている字牌はまだ誰も持っていない可能性が高いということになります。

最後の待ち牌としても最も優秀になる場面が多いです。

  • 端牌を残す(実用度:☆☆・・・ オカルト度:☆・・・・)

字牌ほどではありませんが、端牌(1や9)は使いづらいので切られやすいです。

  • 生牌の役牌を信用しすぎない(実用度:☆☆☆・・ オカルト度:☆☆☆・・)

役牌は鳴いて使えるので、他プレイヤーが対子で持っている可能性がそこそこあります。巡目が過ぎても生牌(場に1枚も切れていない牌)の役牌は切ってしまってもいいでしょう。のちのち安牌としても使えません。

字牌の信用度は「白・發・中 < 場風 <<< その他 <= 自風」となります。

  • 切れている牌の外は残す(実用度:☆☆☆☆・ オカルト度:☆☆・・・)

「場況を読む」というテクニックであります。

例えば7s(竹柄の7)を切っているプレイヤーは8sや9sを持っていない・使えない可能性が高いです。

  • 切れている牌の1つ内側も残す(実用度:☆☆☆・・ オカルト度:☆☆・・・)

同じく場況読みであり、関連牌が切られているので使われづらい状況です。

7sを切っているプレイヤーに対しての6sに関して、457から7を切っている可能性もありますが、この場合は1枚使われるとしても、2枚目を引いたら必要ないので切られるだろうという理論であります。ただ、やはり外側よりは効果が薄いです。

  • ドラを残す(実用度:☆☆☆☆・ オカルト度:☆☆・・・)

ドラを捨てて和了ったものは七対子と呼ばないと決められています。

打点の面でも、2,3枚切れでなければ使うのがいいです。ドラ単騎立直も辞しません。

  • 5を残す(実用度:☆☆・・・ オカルト度:☆☆☆☆・)

赤ルールなら残す手もありです。ただ真ん中なので、他にいい牌があれば切ってしまうといいでしょう。これは好みの色が強いです。

  • 重なった隣は重なる(実用度:☆・・・・ オカルト度:☆☆☆☆・)

残っている関連牌が少ないので、他プレイヤーは少し使いづらいだろうという理論であります。ただ優先度は非常に低く、誤差程度の基準ではあります。

  • 一度信じた・感じたものを離さない(実用度:☆・・・・ オカルト度:☆☆☆☆☆)

まったく選択に差がなく、理論に頼れなくなった時の最終項目であります。

信じたものを信じ続ける方が、いい結果を得られることでしょう。

終わりに

どんなにバラバラなメンバーでもひとつになれる、それが七対子です。

異質さ、極端さなど、ロマンの塊のような役ですが、それでいて実践的な役であることにも間違いはありません。麻雀をしていれば、数多くなくともこの役に助けられる場面は確実にあるでしょう。少ないとしても掴めるかもしれない、そんな勝利も逃さぬよう、七対子について少し研究してみるのもいいのではないでしょうか。