研究テーマ

計算機基礎学研究室は広島大学大学院工学研究科情報工学専攻に属する研究室の1つで、現在、次のような研究を行っています。

1. 暗号技術の研究

暗号技術は、安全なネット社会を実現するための情報セキュリティ技術として用いられています。暗号技術によりデータの秘匿ができるとともに、認証すなわち送信者が確かに想定した者や端末であるかの確認も行なえます。本研究室では、ユーザのプライバシを守るための高機能な暗号技術を研究しています。

2. プライバシを保護した認証

通常のID・パスワードの認証では、IDを紐づけることにより、サーバがユーザのアクセス履歴を把握できる問題があります。本研究室では、高機能な認証として、IDを秘匿したまま、正しいユーザかどうか確認できる匿名認証の方法の研究をしています。

3. セキュリティシステム実装

近年研究されている高機能な暗号技術では、楕円曲線暗号とそれ上でのペアリングと呼ばれる写像が利用されています。これらが高速に動作するライブラリを利用して、匿名認証などを実現するシステムの実装も行なっています。

4. モバイルコンピューティング

スマートフォンに代表される持ち歩くコンピュータやデジタルサイネージやインターネットカフェ,自動改札,自動販売機などその場にあるコンピュータは互いにネットワークでつながり,その価値を発揮しています.このような携帯型や埋込み型のコンピュータによって人の生活がどう変わるかに着目して,これまでにない体験ができるコンピュータやネットワークの使い方を研究します.特に,デバイス間通信による遅延耐性ネットワークについて研究しています.

5. セル・オートマトンの動的性質と高次機能の研究

セル・オートマトンとは、ごく単純な機能のプロセッサを非常に多数、空間に配置・接続した細粒度の並列システムです。このようなシステムの挙動を探ることにより、高度な並列情報処理の原理や、人工空間における機能発現の原理を解明しようとしています。本研究では特に、可逆セル・オートマトンにおける計算可能性、同期、多次元パターンの生成、自己組織化(自己増殖)の問題などについての成果を得ています。

6. 計算の複雑さの研究

計算機科学の最も重要なテーマに計算の高速化があり、各種の問題に対して高速なアルゴリズムが開発されています。しかし、問題の中には現実的な時間では解けない問題や、並列処理には適さない問題が存在することが知られています。本研究では、どのような問題に対してアルゴリズムの高速化が可能なのか、また、どのような問題が本質的に処理の並列化が難しいのか、といった観点から「計算の複雑さ」を研究しています。